子供の頃は排水処理といえば浄化槽だったのを覚えています。いま住んでいる街は、いまでは住宅地ばかりになってしまいましたが、昔は家はそれほど多くなく、畑や田んぼの残っている地域でした。それで都市部に比べて下水道整備が遅れていました。
昔の浄化槽の記憶というと、地面に埋め込まれていてつねに近くでモーターが回っていたことです。モーターは浄化槽内に酸素を送り込んで、微生物を活性化させて汚水処理を行うためのものでした。子供の頃はそうした知識もなくて、なんでモーターが回っているかも知りませんでした。
そして小学生か中学生の頃だったか、この街も下水道整備がされて、街からは浄化槽が消えてしまいました。
浄化槽はいくつもの部屋が作られていて、酸素を嫌う細菌による分解、酸素を好む最近による分解などを経て、綺麗な水に変えていくという仕組みです。活性汚泥で排水処理を進める方法は、浄化槽で採用されているそうです。活性汚泥は微生物が豊富に含まれていて、それによって汚水をすみやかに処理することができます。
川や海に流す前には、できるだけ浄化槽で汚水処理を施してからというのは、下水道の普及していない地域で行われている工夫です。浄化槽すらも取り付けずに、河に汚水を流してドブ川化するというのは、日本で人口が爆発的に増えて住宅建設ラッシュが起きた戦後ではよくある光景だったそうです。浄化槽は自然を守るためにあり、そのためには活性汚泥で排水処理装置使うことは重要なことであると、覚えておく必要があると思います。